書籍「ネコの吸い方」刊行記念 “ネコ吸い”の第一人者、坂本美雨インタビュー

Jan 23, 2015 / Topics

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Photo:Kazuho Maruo

猫好きとして知られるミュージシャン・坂本美雨さんが、愛猫・サバ美との生活を綴った書籍「ネコの吸い方」を発売。“ネコ吸い”を自称する坂本さんに共感し、私も“ネコ吸い”です!という愛猫家たちが続々と増えているとか。サバ美との出会いから、自身にも大きな変化が訪れたという坂本さんとサバ美さんに会いにいきました。


—書籍「ネコの吸い方」をつくるきかっけは?
「3年くらい前に、ツイッターで“ネコはお吸い物です”ってつぶやいたら、ものすごい反応があって、“ネコ吸い”を自称し始めたんです。その頃、サバ美の写真集をつくりませんか? というお声がけをいただいたんですが、別の方から、『ネコ吸の吸い方』というタイトルで、マニュアルも含めたフォトエッセイ集を出しましょうと申し出があって、それでいこうと!決めました。でも書いている途中で、筆が止まってしまったんですよね。担当さんは急がなくていいよと言ってくれたのですが、なかなか上手くまとめられずに、しばらく悩んでいました。そうこうしているうちに、自分の人生に大きな出会いがあって、生活やサバ美との関係も変わっていって。この大きな変化は、ネコが連れてきてくれたこと。今だったら、ネコと一緒に変化していく人生やそこから広がったつながりのことを伝えられるかなと思って一気に書き上げました」

—2011年にilove.catで取材させていただいた際には(記事はこちら http://ilove.cat/ja/1332 )、ひとり暮らしで猫を飼うことに不安があるというお話をされていました。そこからご結婚をされて、どんな変化があったのでしょうか。
「友人たちにも、ここ数年で、すごく変わったねって言われます。私はずっと、幼い頃から、自分の感情をみせることが恥ずかしかったんです。でも、最初にサバ美が心をバーンと開いてくれたから、こちらも開くことができた。同じように、人に対しても、開いていいんだよって教えてもらったんです。自分はこういう人間だってことを開きなおったら、唄うことにも抵抗がなくなりました。サバ美が、突っかかっていたネジを外してくれたんです」

—以前のインタビュー時では、これから出会い旦那様が猫アレルギーだったらどうしようともおっしゃっていましたよね。

「実は、オットは猫アレルギーだと判明しました(笑)。今のところなんとかやっていけてます。でも食事療法とか、免疫をあげておくとか、引き続き一緒に乗り越えなきゃいけないですね〜。でも、最初から準備ができている人なんていないし、本当に、人生は何が起こるかわからない。これからも、どうなるかなんてわからないです。怖いものだらけ。音楽では“絶対大丈夫”って唄っていますが、そういう言霊が必要なくらい、人一倍不安なんでしょうね。でも、サバ美やオットと出会い、一緒に乗り越えていくぞっていう覚悟ができたんです」

—音楽をつくるときと、本を書くときの違いはありましたか?

「歌詞はどう受け取ってもらってもいいというか、あえてふり幅を持たせることもあります。1曲ですべての状況を説明するわけではないので。でも今回の本は、状況を絶対にきちんと伝えたいってキモチがあって、ネコ親戚たちやミグノンなど、実在する人や動物たちがでてくるから、誤解があってはいけない。震災があってからは、被災動物のことなども刻々と状況が変わっていたし、自分にとってもその方たちにとっても大事なことすぎて、なかなか筆が進まなかったんです」

—本の中には石黒亜矢子さん(http://ilove.cat/ja/9286)のイラストや対談も掲載されていますよね。

「石黒さんはツイッターをきっかけに、いまでは家族ぐるみの付き合いをさせてもらっています。漫画の中では、サバ美を熟女キャラとしていじってくださっていて。ツイッターに載せていない、私が入院した時に描いてくださった漫画も掲載しています。お互いのネコをいじりあう関係(笑)っていうのも、ネコを通したネコミュニケーションとして面白いなって思います」

—本に登場する”オット”こと、旦那様は編集者ですが、本をつくるにあたりアドバイスはあったのですか?

「なかったですね。だいぶ経ってから“面白かった”とは言ってくれましたけど(笑)。読んでくださった方からは、“オットに出会ってサバ美がネコになった”という箇所に共感したという反応が多くてびっくりしました。この独特な感覚は、私だけのものかなと思っていたので。私はあまりに近い存在としてサバ美を見ているので、ちょっと距離のあるオットがいることで、よりサバ美との関係も俯瞰して感じられる。オットは面白い造形物として見ている感じもします。私の愛情がトゥーマッチなのは自覚していたのですが、オットというクッションがあるので、サバ美自身は、愛されすぎるプレッシャーからは少し開放されたかなと。時にはネコらしく、生きやすくなったんじゃないかなって、今は思います」

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