デザイナー・eri × ユマ&ココ — 今日も一緒に

Apr 16, 2012 / Interviews

Photo:Shin Suzuki Edit&Text:Madoka Hattori

ファッションブランド「mother」のデザイナーとして活躍するeriさんは、不思議な毛の色をしたユマさんとココさんの2匹の猫と暮らしています。幼い頃から猫がそばにいたというeriさんは、猫との付き合い方も自然体。ユマさんとココさんのリラックスした表情からも、猫のいる生活の楽しさが伝わります。

猫好きの父と3匹の猫

—幼い頃から猫を飼っていたのですか?

「小学生くらいの頃、父の会社に居ついていた野良猫がいて、もともと私は猫アレルギーだったのですが、その猫は触っても大丈夫だったので飼うことになったんです。今でも猫アレルギーなのですが、自分の飼っている猫は免疫ができるのか大丈夫ですね。その猫はあまり体が強くなくて、13歳くらいで病気で亡くなってしまいました。亡くなる数年前に、父が出張先の大阪でたまたま神社に捨てられていたトラ柄の子猫をみつけて遊んでいたら、あまりに懐いてしまい、そのまま新幹線で連れて帰ってきたんです。アニキという名前で、今は約12歳。もう一匹、6歳くらいの黒猫のアクビがいます。アクビは里親募集サイトで見つけました」

—ユマさん、ココさんとの出会いは?

「犬と違って、病気をしない限り猫はほとんど手間がかからないですよね。でも気配だったり、家に帰ってきた時の空気だったり、明らかに猫がいると違う。実家を出て初めて、猫のいない生活がこんなに寂しいものなんだと初めて気がついたんです。それで、里親募集サイトで猫を探し始めました。アクビと同じ里親募集サイトで見つけたのですが、シェルターは別で、アクビは病院、ユマとココはボランティアで保護活動をしている女性が預かっていました。5人兄弟で、すでに貰い手が決まっている子もいたのですが、こんなに仲が良くて楽ならば、2匹だけでなく、5匹一緒に暮らすのもよかったかなと思います」

—猫を飼いたいと思って探し始めた時、どんな猫がいいというイメージはありましたか?

「私の中では、トラ柄はアニキ、黒猫はアクビしかいないんです。だから漠然と毛の色が違う子がいいなと思っていました。サイトを流し見していた時、ユマとココは毛の色がとっても変わっていて目についたんです。見た瞬間に、ああいた!って。すぐに連絡しました。最初は2匹飼うとは考えていなくて、グレーの子(ユマ)が珍しい色だなと思って気になったのですが、茶色(ココ)も可愛くて選べなくて。私、2匹飼っちゃうのかな……どうしよう!って思いながら、預かっている方とお話をしていたら、一度お試しで家に連れてきてくださったんです。あまり心構えをせずにいたのですが、家に来た瞬間に私はこの子たち2匹とも飼うんだ!と思いました。その場で運命が決まったんです」

おっとりとした姉とやんちゃな妹

—家に来てから、ユマさん&ココさんはすぐに慣れましたか?

「まだ2ヶ月くらいで小さく、譲渡できるギリギリのタイミングで受けとったので、最初は大変でした。小猫を飼った事がなかったので、おしっこもお尻を叩いてさせてあげたり、家を留守にするのもちょっと不安でしたね。仕事から帰るとどこにも居なくて、探しまわったらクローゼットの奥の方に2匹で小さく丸まっていたり(笑)。でも、今ではもう全然手間がかからないです」

—2匹は双子ですが、性格の違いはありますか?

「ユマは甘えん坊です。寝る時も一緒だし、私が仕事をしていたら常に隣でみています。小柄な割には運動神経がすごくよくて、走り回ったり、高い所へジャンプしたり。お客さまに対しては人見知りがあるみたいで、触られるとたまに怒ったりとか、少し気が強いのかもしれませんね。対するココは、ぼーっとしていて、天然ぽいというか、ちょっとした仕草とか立ち位置とかがいちいち面白い(笑)。ココは彼に懐いていて、寝る時は絶対彼の横にいたり、乙女のようにじっと見つめていたり……。双子なので姉妹はないのですが、おっとりしたココ姉さんとわがままでやんちゃな妹ユマというキャラ設定をして接しています」

—喧嘩する事はないのですか?

「じゃれて2匹でゴロゴロしている時はありますが、喧嘩は全くしないですね。ご飯の皿も1個ですし、最初はトレイも2個置いていたのですが、どっちがどっちという決まりはないようで1個にしています。最近『ニャンとも清潔トイレ』に変えたんです。移行した時、ココはイヤだったみたいで、ウンチを別の場所にしてしまったのですが、しばらくしたら慣れてくれました。姉妹のよさというか、性別が一緒だという事もあると思いますが、自分のテリトリーに頓着がないみたいですね」

猫が快適に暮らすちょっとしたコツ

−ご飯のこだわりは?

「2匹とも特に好き嫌い無く食べてくれます。でもご飯によって、ココに円形脱毛症のようにアレルギーがでてしまって。添加物の少ないものなど、ナチュラル志向のご飯をいろいろ試していたのですが、添加物ではなくタンパク質のせいだと言われて、今は獣医さんからすすめられたロイヤルカナンの低分子プロテインをあげています。基本的にカリカリですが、たまに缶詰をあげることも。ご飯のお皿は床から高さを上げて、顔の位置に調整しています。そのほうが、戻しにくいらしいみたいです。ユマは納豆が好きみたいで、私が食べていると寄って来て舐めるんです。鰹節の袋は油断していると、床中に鰹節まみれになりますね(笑)。あと、お刺身が歯磨き効果があると聞いて、時々あげるようにしています」

—アレルギーはあっても、大きな病気をしたことはないんですね。

「はい。小さい頃はワクチンのためもあったのですが、定期的に病院へ通っていたのですが、最近はアレルギーが出た時に連れて行くくらいです。病院へはキャリーバッグに入れて車で連れて行くのですが、特に嫌がりはしないですね。よく別荘へ連れて行くので、キャリーバッグ=病院というイメージではないのかも。あと、常に部屋にキャリーバッグを置いておくと、自然と中に入っていたりするので、普段から慣れさせておくことがコツかもしれませんね」

—猫さんたちのお気に入りの場所はありますか?

「お客さんが来たときは、緑色の本棚の上に避難するんです。あの上から“あんたたち誰?”っていう目線でみている(笑)。でも、近づいて舐めたり服やバッグの臭いをかいだりもします。構いすぎると、爪研ぎでストレス発散したり。あとは、寝室にあるキャットタワーも気に入っているみたい。私が仕事をしていると、ユマは横のソファーで見守っていてくれます」

—おもちゃで遊ぶ事は?

「棒にリボンを結んだおもちゃが好きで、よく遊んでくれます。あと最近買った通称“きいろくん”はユマが気に入って、後ろ足でキックしています。特に猫用のおもちゃでなくても遊んでくれますが、でもやっぱり一番は、猫同士でじゃれて遊んでいることが多いかな」

“素っ気ない”から猫が好き

—集めている猫グッズなどはありますか?

「猫モノにすごく魅かれるということはあまりないのですが、知り合いの本屋さん(SPBS)で見つけたリサ・ラーソンの置物は最近購入しました。色味がなんとなくユマとココっぽいなと。あと古着屋さんで買った木でできた置物や、いただいた神社の招き猫もあります。本だと、友達に教えてもらった『くるねこ』がすごく好きで、よく読んでいます。漫画はみんなで回し読みしているので、今どこにあるかわからないんですけど(笑)」

—eriさんの周りには猫好きな方が多いんですね。

「そうですね。実は、Facebookで(坂本)美雨とか猫好きな友達同士で非公開のグループを作って、自分の飼っている猫やネットで見つけた猫画像とかをあげては“いいね!”を押しまくっています。父も参加していて、子猫の画像に“この子を見ているだけで、茶漬け3杯はいける”とコメントしていたり(笑)。会社のスタッフも、猫派が多くて、半分以上が猫を飼っているんですよ。以前、猫顔の刺繍をしたバッグを作りました。もうすぐ発売する2012SSシーズンでは、猫柄のTシャツもデザインしています。今までのmotherのお客さんとは違う、猫好きな方も手に取ってくれるようなので楽しみですね」

—猫の一番の魅力は?

「素っ気ない所ですかね。アンニュイな感じが私には合っているのかなと。子どものころから猫を飼っていたので、犬よりも親しみがあるのですが、仕事が忙しく構ってあげられないと、やっぱり罪の意識が芽生えてしまうじゃないですか。でも猫は構いすぎると“やめてよぉ”って逃げてしまう。それぐらいの距離感が今はいい。実は、一番最初に飼った猫は、私が看取ったんです。腎不全で最後は食べる事ができませんでした。未だに、そのショックからは立ち直っていないかもしれない。だからこそ、ユマとココが今日も一緒にいてくれることが本当に嬉しいんです」

  • 名前: ユマ/ココ
  • 年齢: 5歳/5歳
  • 性別: 雌/雌
  • 品種: 雑種
  • 飼い主プロフィール:
    eri(エリ)
    1983年、NY生まれ。2002年ファッションブランド「chico」を立ち上げる
。2004年にはオリジナルのテキスタイルやレースや刺繍などを用いたアイテムを中心とした「mother」、2009年 にはセカンドライン「FIG femme」をスタートさせる。著書に市川実和子さん、東野翠れんさんとの共著「縷縷日記」(リトルモア)。
    http://fatale.honeyee.com/blog/eri/