新たな飼い主さんと出会うために 福島県動物救護本部「三春シェルター」 第一弾

Feb 19, 2013 / Topics

Tags: column

photo:Shin Suzuki edit&text:Madoka Hattori

2011年3月11日におこった東日本大震災、並びに東京電力福島第一原発事故により、警戒区域内に残された犬や猫を保護する施設「三春シェルター」が福島県三春町にあります。シェルターを主宰する福島県動物救護本部では、いまだ飼い主がみつからない200匹以上もの猫たち(犬は約70頭あまり)が、新たな飼い主さんを募集しています。シェルターで働く職員・渡辺美恵子さんにお話を伺いました。

(追記:2015年12月25日、すべての犬猫の飼い主や里親がみつかり、三春シェルターは閉鎖されました)

■第二弾レポート
http://ilove.cat/ja/7318
■第三弾レポート
http://ilove.cat/ja/7596
■第四弾レポート
http://ilove.cat/8514


—三春シェルターはいつからスタートしたのですか?

「ここに集められているのは、警戒区域内に住む方々から保護依頼を受けて、一時帰宅などにあわせて保護された動物たちです。震災直後の2011年4月、福島県が福島市飯野町にある倉庫を改装し、被災動物を収容する第一シェルターを設置しました。すぐに一杯になってしまったので同年10月、新たに三春町に第二シェルター(三春シェルター)を設置しました。今年1月末で第一シェルターは閉鎖し、現在は第二シェルターに動物たちを集約しています」

—現在、三春シェルターには何頭の犬猫がいるのですか?

「猫は267匹、犬は76頭です(2013年2月3日時点)。飼い主さんがみつかった動物たちはすぐに戻しましたが、まだ仮設住宅などにいる方で、シェルターで預かったままの動物もたくさんいます。2012年の3月/9月/12月の3回、国の一斉捕獲があり、警戒区域で保護した動物たちが新たにやってきました。飼い猫だった子たちは、保護されてすぐは怯えていましたが、シャーシャーいうような野生化はしておらず、すぐにシェルターに慣れてくれました。逆に、人に接しないで育ってしまった子猫たちはまだ少しケアが必要です」

—警戒区域内の動物については、一般の動物愛護団体が保護しているニュースなどが報道されていますが、ここは福島県動物救護本部が運営しています。施設を拝見し、義援金や物資などは足りているようにみえますが、不足しているものはありますか?

「猫砂などの消耗品はいくらあっても足りません。さらに動物の住環境はもちろん、関わるスタッフやボランティアの方が働きやすい環境づくりを心がけています。施設を維持していくために義援金や物資などをいただけるのはとてもありがたいのですが、今本当に必要なのは里親です。このシェルターがいつまで続けられるかわかりません。殺処分はしないということを表明していますので、動物たちがいる限り、シェルターは運営し続けなければいけない。1匹でも多く、里親をみつけて譲渡することでしか、終わりはないんです」

—里親になりたいと思った場合、どのような方法で譲渡できるのでしょうか?

「譲渡は福島県庁とお申し込みいただいた方との話合いになります。詳しい条件はWEBサイト(http://www.fuku-kyugo-honbu.org)に記載してありますが、性別やおおまかなご希望を伺い、そのリクエストに近しい猫を何匹か見ていただき、譲渡することになります。またWEBサイトで写真やプロフィールを公開していますので、そこから選んでいただくことも可能です。ただ、シェルターから譲渡する場合、トライアルはできません。一度里親として譲渡した動物は、シェルターに戻さないというのが条件です」

—シェルターは一般公開されていないので、気になる猫がいても気軽に見に行くということはできないですよね。例えば、ボランティアとして参加すれば、お世話をしながら動物たちに接することはできるのでしょうか?

「実際に会ってみると、猫たちのかわいさに心動かされる人も多いと思います。とはいえ、なかなか福島県三春町までわざわざ足を運んでくださる方は少ない。ボランティアはWEBサイト(http://www.fuku-kyugo-honbu.org)の申し込み用紙をダウンロードしていただき、FAXでお申し込みいただくことができます。主に掃除や餌やりなどの作業をしていただき、作業後にシェルター内を見学いただくことは可能です。その際に気になる猫がいれば、改めて譲渡の申請をしていただくことになります。いきなり里親になるのはハードルが高いかもしれないので、気軽にボランティアに来ていただくのがいいかもしれません。もちろん、譲渡につながらなくても、福島では被災動物の問題がまだまだ解決していないという事実を知っていただけるだけでも意味があると思います」

【里親募集中の猫たち】

三春シェルターで新たな飼い主さんを待っている猫たちをご紹介します。
職員さんたちによる性格レコメンドも合わせてご覧ください。

メゴちゃん
メス、雑種、約1歳
問い合わせ番号:20326
遊び盛りでやんちゃな性格。抱っこが大好き。
(*取材後、里親さんが決定しました)

アスカちゃん
メス、雑種、2歳
問い合わせ番号:20332
保護した時は触れられなかったけれど、いまではすっかり甘えん坊。かわいらしい声で鳴きます。
(*取材後、里親さんが決定しました)

小春ちゃん
メス、雑種、約2歳
問い合わせ番号:20305
きれいな青い目が印象的。ゲージ内から手をだして甘えてきます。
(*取材後、里親さんが決定しました。後日.catでレポートします)

アバ
メス、ロシアンブルー、約3歳
問い合わせ番号:20253
気まぐれやさん。機嫌のいい時は自分からスリスリしてきます。抱っこはちょっと苦手。

島ちゃん
メス、雑種、約2歳
問い合わせ番号:20263
おとなしく、おっとりした性格。掃除中はずっと足下でスタッフの顔を見上げながら抱っこを待っているとか。そーっと服の中に入ってくることも。
(*取材後、里親さんが決定しました)

くりん
オス、雑種、約5歳
問い合わせ番号:20459
手足やしっぽがスラリとしていて、スタイルがいい。おとなしく優しい性格です。
(*取材後、里親さんが決定しました)

スカイ
オス、雑種、約5歳
問い合わせ番号:20469
何をされても怒らない、おっとりしたタイプ。すぐにお腹をみせゴロンとして、なでてほしそうにアピールします。
(*取材後、里親さんが決定しました)

サン
オス、雑種、約3歳
問い合わせ番号:20470
しっぽがチャームポイント。抱っこが大好きで、初対面の人でも平気。他の猫たちとも仲良く、人慣れしています。
(*取材後、里親さんが決定しました)

オバアー
メス、雑種、約5歳
問い合わせ番号:20344
いつも手をグーパーグーパー(エアーフミフミ)しています。オバアーと呼ばれていますが、身軽な動きをみせてくれることも。社交的で行動的。

ilove.catの拠点は東京ですが、立ち上げメンバーである写真家の鈴木心が、福島県三春町の隣にある郡山市出身という縁があり、今回取材させていただくことになりました。また鈴木は.catとは別に、定期的に福島県を訪れ独自にプロジェクトを進めています。

福島県動物救護本部に保護されている猫たちが1匹でも多く、新たな飼い主さんに出会えるよう、.catでは継続的に猫たちを紹介していく予定です。今後は、里親募集とともにシェルターでのボランティアについても、.catの読者の方々とともに参加できるプログラムを企画していきたいと考えています。


チャリティー缶バッチ。福島県動物救護本部のWEBサイトと三春シェルターで購入可能。

*里親募集、ボランティアなどのお問い合わせはこちらへ
福島県動物救護本部
http://www.fuku-kyugo-honbu.org