猫SF漫画「どーにゃつ」の著者、コザキ・ユースケさんインタビュー

Mar 26, 2013 / Topics

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ドーナツ型の猫が活躍する漫画「どーにゃつ」。ほのぼのとした猫漫画かと思いきや、20XX年の近未来(?)で無人の廃都と化した新宿でサバイバルするドーナッツというか……猫!? 予想外なストーリー展開と、猫×ドーナツ×SFという異色の組み合わせに、猫好きならずとも病み付きになる人が続出しているとか。著者のコザキ・ユースケさんに「どーにゃつ」の制作秘話を伺いました。

ーなぜ、ドーナツ×猫という組み合わせを思いついたのですか?

いきさつは本当にちょっとした事で、知人のゲーム会社勤務の女性に「何でもいいから何か可愛いキャラクターを描いてみて欲しい」というお題を出されたのがきっかけでした。その方がスイーツ好きだったのと、僕が猫好きなのもあって、何の気無しに組み合わせてみたんです。

ー犬やほかの動物ではなく、猫だった理由は?

主人公は「どーにゃつ」と言う猫型の動物ですが、他のキャラクターにはクマや犬、ブタなど色んな生き物をモチーフにした者もいるんですよ。

ー実際にモデルとなった猫はいますか?

うちで飼っているあずみ(15歳♂)と、小雨(5歳♀)を合わせたものがモデルになっています。ころっと太った感じは、小雨によく似ていると思います。あずみは、キジ柄の野良だった子です。温厚で非常に甘えん坊。女の子みたいな名前なのは、飼い始めの頃家族みんな雌だと思っていたせいです。幼少期は素人目には判別が難しかったですね。小雨は三毛。小雨が降るある日の公園で、一人ぼっちで土で汚れてガサガサになっちゃってた所を保護しました。最初は里親を探していたのですが、情が移ってしまって。今ではふくふくと健康に&ふくよかに育っています。


〈あずみ〉

ー「どーにゃつ」を描くとき、難しいポイントは?

綺麗に丸を描くことが意外と難しく、結構歪んでしまうので、しょっちゅう修正をかけたりします。この辺の苦労は、あまり他の作家さんがなかなか同意してくれず、「描くのが楽そうでいいなぁ」と言われます。まあ、実際に楽ではあるのですが!(笑) あとはシンプルな顔の作りなだけに、微妙な表情変化のパターンを作るのが難しいですね。


〈小雨&餡子〉

ーお気に入りのエピソードは?
今現在、すべてのエピソードお気に入りですが、強いて言うなら第18輪『おなかがヘルハウンド』でしょうかね。犬のキャラクターが主人公の回ですが、犬も飼っているので。次点で第11輪『伝説のアメージングスパイダー』。動物に限らず、人同士が“しょうもない理由で争う”というのが人間臭くて好きなんです。


〈第18輪『おなかがヘルハウンド』〉

ー猫は人間の言葉を理解していると思いますか?

犬は「おやつ食べる?」「お腹すいた?」「お風呂入る?(さっと逃げる)」など、言葉はある程度理解しているのですが、猫は主にこちらの行動を見て反応している様に感じます。僕がご飯場に行くとついて来たりとか。でも犬ほどでないにしろ、自分の名前は理解しているようで、名前を呼ぶとそれぞれ個別に返事をするのが非常に可愛いです。


〈第11輪『伝説のアメージングスパイダー』〉

ー「どーにゃつ」を描いたことで、猫に対する見方が変化しましたか?

昔から猫が好きなので、大きく変わった所はありませんが、実際にある猫の習性からヒントを得ている部分はすごくたくさんあります。連載を始めてから、確かによく観察するようにはなりました。ホント、猫は一見無表情にみえて実は表情豊かですよね。


〈あずみ〉

ー今後、どーにゃつがどうなっていくか、ヒントをおしえてください。
まだ詳しくはお話できませんが、ゆるゆるな「どーにゃつ」達の生活を描きつつ、世界観の本筋としては漫画界でもトップクラスの壮大な話になっていくと思います。でも、ゆるい生活をたくさん描きたいので、気長に読んで貰えたら嬉しいなぁ、と思います。


〈小雨〉

「どーにゃつ」コザキ・ユースケ amazon.co.jp

20XX年、夏。東京・新宿は無人の廃都と化し、"始まりの日"が訪れた──。突如現れたおかしな身体を持つ謎の生命体、「どーにゃつ」と「ベーガル」。彼らはどこから生まれ、どこへ向かうというのか……?

どーにゃつ
http://www.square-enix.co.jp/magazine/yg/introduction/donyatsu/

どーにゃつ公式サイト
http://www.donyatsu.com